アルゴン溶接。

アルゴンガスと、電気を使って行う、ステンレス用の溶接法。

これが、厄介な代物だったのです。


社長に言われて、初挑戦することになった溶接。
普段は、アーク溶接(工場内では、「半自動」と呼ばれている)のみで仕事をしていたんですが、それだけだと仕事の幅が広がらないという社長の判断から、急に挑戦することになりました。

※半自動(アーク溶接)とは?
 炭酸ガスと電気、そして、鉄製のワイアを自動で送り出し、
 ワイアが接触した部分を電気でショートさせる。
 ガスを送ることにより、溶けた鉄を綺麗にさせ、溶接完了。
 以上の行程が、一瞬にして行われる溶接法です。


私の工場で行われている溶接法は、全部で3つ。

 ・アーク溶接(半自動)
 ・アルゴン溶接
 ・手棒(電極に、「手棒」と呼ばれる鉄製の棒を付けて行う溶接)


他に、切断法として、
 
 ・ガス切断(アセチレンガスと酸素を使用する、炎による切断)
 ・プラズマ(未経験。原理が未だにわからない)


がありますが、私が行えるものは、半自動のみ。

…アルゴンって、とにかくハードルが高いんです。
何故に高いかと言いますと、半自動と比べると、一目瞭然。

半自動は、ワイアを溶かして付けていく溶接なので、多少の隙間があっても、溶接は容易い。くっついちゃう。
しかしアルゴン溶接は、

くっつけるべきステンレスとステンレスを溶かして行う溶接!

…とにかく、むずかしい。
素直にくっついてくれない上に、トーチ(溶接を行うグリップの先端部)を当て続けすぎると、簡単に穴が空いてしまう。

…もうね。
イヤになりすぎて、本気で辞職しようかと思いました。

自分で自分がイヤになる状態だったのです。
今考えればアホな自己嫌悪だったのですが、あの時は深刻でしたよ。
期待に応えることができない自分に腹が立ってしょうがなかったんです。

…まぁ、教えてもらって一日でマスター出来るようになるなんて、無理な訳なんですけど。

社長も、私がリアルに落ち込んでいるのを分かっちゃったんでしょう。


社「どうだ?調子は」

私「全然駄目です。コ汚くなっていきます(普段、こんな事言わない私)」

社「それでも、ちょっとずつは進んでるんだろ?(普段、こんなフォロー入れない社長)」

私「進んでますけど、まだまだ駄目です(ほぼ全滅の精神状態)」


こんなやりとりから、社長はその日だけ、私に近づいてこなくなりました。
…ごめんなさい、社長。

そんなアルゴン溶接初日から、はや数日が過ぎ。

つい昨日、久しぶりに半自動を使うと、スイスイ進む進む。
私の中で、よっぽどアルゴン溶接がトラウマとなっているようでした。

…でも、あと幾らか修行を積めば、アルゴン溶接も難しくなくなるのかな。
このことも、半自動だけ見れば、以前よりも格段に成長しているわけだし。

…焦らずに、落ち着いて行こう。

あ。
明日は東京だ。

明日も頑張ろう。
2006.12.20 /