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過激な日々。

ここでは、ちっちゃい女「もん」の、過激な毎日を綴っていきます。 毎日考えていることや、思うこと。 時には乱暴になったり、好きな詩を綴ったり。 少しでも心に留まったら、そっと言葉をください♪

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初挑戦。ショートショート。

初挑戦です。
ショートショートって、書いたこと無いんです。

デモ何故か、好奇心だけは旺盛だったり。
言わずと知れたぴえーるさんに感化されたのもありますし、新分野に挑戦してみようと思ったのもあります。
成功するかどうかは、私にかかっています。

最後まで書ききるよう、祈っていてください。

気になる方は、続きからどうぞ。







タイトル【This is】



私の隣に居座るヤツがいる。
それは、金属質の物で、一見すると鳥をモチーフにした彫像のようにも見える。
しかし、完璧な「鳥」というのではなく、近代的にデフォルメした物だと言った方が正確に表現しているかもしれない。

私の目の前には、霧のかかった広大な空間がある。
景色が見えるのだから夜ということは無いだろうが、霧のせいなのか、それとも別の理由なのか、光が太陽以外の物から出ている気がしてならない。
それくらい、不安定な景色だ。

私は石膏で作られたような安っぽい噴水の縁に腰を下ろし、霧のかかった空間を見つめている。
足下は煉瓦で出来ているようで、赤茶けた煉瓦が霧に隠れない視界の中で、続いている。
霧の中に飲み込まれた煉瓦は、何処まで続いているのか分からない。

噴水の水は枯れているようで、水滴の落ちる音すらしない。
水は溜まっているが、濃い緑色の中に淀む様を見ると、水以外の何かに変質しているようにも見える。

両の手の平を眼前に持ってきた。
土で汚れている。
爪の中まで、土で汚れているようだ。
どうやら、土を触ったことは間違い無いらしい。
そんな記憶は無いのだが。
そこで初めて、隣に居座った「銀色」が私に話しかけてきた。

「まだ何も思い出さないのかい」

私に理解できる言葉を発することは驚いたが、鳥の口に当たるところは一切動いていなかった。耳に届いたと言うより、その声は心の中に響いてきたような印象を受けた。
私は銀色を見ずに、返事をする。

「自分が誰かすら覚えてないんだ。生きている事すら、冗談のような気がするよ」
「そうかい」

銀色は微動だにせずそう言うと、まるで古い友人のように無言の空間を作りだした。

ふと唐突に、私は一つだけ思い出した。
胸ポケットに、タバコが入っている。
それを取りだして、一本を口にくわえる。
慣れた手つきで、まるで体が覚えているように、一緒に入っていたマッチで火を点ける。
指で挟んで、肺の奥まで煙をゆっくりと吸い込む。
口にくわえたまま、またゆっくりと煙を吐き出した。

白い霧と紫煙が重なり、自分が霧に飲み込まれた錯覚を覚えた。

「これからどうするんだよ」

銀色は、どれくらいの時間を置いたのか、ゆっくりと俺に訊いてきた。
タバコを持っていたことしか思い出せない俺に、これからの事なんて想像できるはずがない。
唇の端に、自嘲気味の笑いが浮かぶ。

「さあな」

またタバコの煙を吸い込んだ。

…どれくらいの時間が経っただろう。
既にタバコの火は消え、吸い殻が唇に張り付いている。
霧も相変わらず濃いままで、煉瓦の地面が何処まで伸びているのか分からない。
銀色も、俺の隣からまったく動いていない。
その間、思い出したことは何もなかった。

「そろそろ、俺は行くぞ」

銀色が、俺に言った。
どうやって動くのか気になったが、すぐにそんな好奇心も消えた。
この銀色が消えたら、俺はどうやって次の行動を見つけるのかが気になった。
でも、感情は簡単には動かない。

「そうか」

そんな乾いた返事を返すのが精一杯だった。

銀色が、不意に動き出した。
鳥の「足」にあたる部分を地面に付け、噴水の縁から立ち上がる。そして、ゆっくりと俺の前に回り込んだ。
正面から銀色と対峙した俺は、銀色の体に反射する俺の姿を見つめた。

みすぼらしい格好をしている、汚れた男。
無精髭の顎と頬が、何とも不快だ。
唇に張り付いたタバコが、不潔さを際立たせている。
そんな俺の姿を見ても、何も思い出せない。

「じゃあな。時間だ」

銀色はそう言ったかと思うと、翼にあたる部分の先端を俺に向けた。

気が付いたら、それは俺の胸を貫いていた。

まるでゴムのように伸びる金属らしい。
軽々と、俺の薄い胸板と肋骨を破壊し、その下に埋まっている心臓まで刺し貫いた。
さらにそれは伸び、背中の脊髄を破壊、背中も貫通。
まるで、スポンジにアイスピックを落としたように軽々と刺し貫かれた。

肺に血液が流れ込む。
体の脊髄反射で、鼻と口から咳き込むようにして俺の血液が逆流する。
一瞬にして血に染まる俺の体。
この中で、俺は不思議と冷静に考えていた。

即死というのは、致命傷の原因があった時間から、どれくらいの時間までが「即死」というのだろう。

少なくとも、心臓を刺されてから、まだ俺には意識がある。

「正直、お前が思い出さなくて良かった」

銀色は、そう言って笑った気がした。

銀色の翼の先端が、何のひっかかりもなく俺の体から抜けた。
胸に空いた空洞から、逆流した血液の一部が吹き出した。
既に体を支える事が出来なくなった俺は、そのまま目の前の煉瓦の上に倒れ込んだ。
顔を動かすことは出来ない。指すらも。
意識だけが、まだはっきりと動いている。

ふと、思った。

この煉瓦の下には、俺の妻が埋まっている気がする。
ヒステリックな女だったんじゃないだろうか。
そして、俺は妻を殺して埋めたような気もする。
証拠を少しでも隠すために、煉瓦まで敷いて。
この霧も、この国には有名な代物で、晴れることがなかったような気がする。
銀色も、実は俺に力を貸してくれた「死神」だったんじゃないだろうか。
俺みたいな奴が、女と言えど一人で殺せるはずが無い。
そして、その代償に俺の命を要求したんじゃないだろうか。

今となっては確かめる術がない。
所詮は、俺の妄想なのかもしれないが。

俺の人生最後の思慮は、そんな事だった。
そして、闇が目の前に広がった。

【Fin】
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コメント

…うーーん……物語、特に人間をあらわす純文学向きの作品としてはとてもレベルが高いと思います。特に、ものの比喩(?)が。

 ですが、ショートショートというよりはショートストーリーに近い気がします。
 最近の小生もそうですが、あまりストーリーを考える時間がないせいか、あまり衝撃的なラストを迎えていないのですが、ショートショートの基本はラストに衝撃性を持ってくること、無駄を削ぐこと、完結し簡潔であることだと思うので、最後に読み手の意表をつく無いようにしては如何でしょう?

読み物としては面白いのですが、世に言うショートショートの括りからは微妙に外れていると思います。

 まあ、小生も「2ページくらいの作品はショートショート」としてアップしてますので、人の事いえないですけど。
 なんにせよ、面白かったですよ!

もんさん・何と表現したら良いのか?

一言では言え無い。
怖さと不思議な世界。。。。。?
このような 怖い系は 日ごろは避けて居ますが
今回は一気に読んでしまいましたぁ~(<~>)pv-356
最初読み始めたて 読むのは止めておこうかな~?と
思いましたが 止める事ができなかったのです~。

何故かって?
勿論 怖くても面白かった~引きずり込まれてしまいましたよ~(#>~<#)p~

もんさん・良い一日をネ。

むむぅ

ぴえーるさんもおっしゃってらっしゃいますが、
むぅ…
ショートショートというよりは一話読み切りの短編のような雰囲気が(笑

しかし流石というべきか世界観は時代・場所を特定しないことによって、想像による魅力の増大…ミロのヴィーナス的な美を生み出しているような気がします。


これからも、是非もんさんのWORLDを展開していって下さい(笑

楽しみにお待ちしております。。

ぴえーるさん。

うわうわ。
誉めてくださっている!!
なんと勿体ないお言葉か。
ありがとうございますです。

そうでしたか。ショートショートではなかったですか。
というか、説明を受けてなるほどと思いました。

私、どうやらショートストーリーとショートショートを混同していたようです。

ありがたいご指摘、感謝いたします。
これから書くとしたら、私はショートストーリーと銘打って書くことにしましょう。

…というか、かなり誉められて舞い上がっています。
これからも精進しますので、お付き合いの程をよろしくお願いします。

こめんと、ありがとうございました。

akamameさん。

ああ、ごめんなさいです。
怖い話しを無理に読ませるつもりは無かったのですが、そうなってしまいました。
一言注意書きを付け加えるべきでしたね。
ごめんなさいでした。

それでも手放しで誉めていただき、恐縮です。
なるべく怖い物は抑えていきますので、これからもお付き合いしてやって下さい。

体への気遣い、毎回ありがとうございます。
akamameさんも、季節の変わり目なので体調に注意下さい。

こめんと、ありがとうございました。

夜葬歌さん。

ああああ。
夜葬歌さんまで手放しで誉めてくださるとは。
物書き、冥利に尽きます。
ありがとうございます。

この話し、実は行き当たりばったりで書いた物なので、細かい設定などは存在しないんです。
場所や時代、男の名前など、重要なことは何も。
たった一つ、男は何をしたのか、だけは決めてあります。

が。

それは、内緒です。
読み手の想像力に期待しましょう。

こんな私ですが、これからも色々助言などをよろしくお願いします。

こめんと、ありがとうございました。

面白かったです。
ストーリーも好きですが、それより、細かい描写というのでしょうか。
そういうのがすごくいいと思いました。

エリさん。

おお、エリさんにまで誉められた。
嬉しすぎます。ありがとうございます。

描写に関しては、細心の注意を払っているつもりなのです。
読み手の方に、どうやって自分の見ているモノを見せられるか、その勝負だと思っています。

まぁ、心の中の「想像力」というフィルターを通すので、100%同じ物を見せることは不可能なんですがね。

でも、すごくいいと言われて、物凄く力になりました。
これからも、ちょくちょく絡んでやって下さい。

こめんと、ありがとうございました。

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もん。

Author:もん。
既に体の小ささは私の履歴書として胸を張る状態に。
すったもんだを経て、何とか仕事と住居を見つけることに成功。
地元の母様を守ることも出来て、満足満足。
相変わらず仮面ライダーも大好きで、次回のディケイドってどう?と眉間に皺を寄せる生意気なライダーファンとなりました。
そんなちっちゃい26歳。今年は27ですなぁ。
※プロフィール画像は、フィクションということにさせてください。
 うふふ。

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