過激な日々。

ここでは、ちっちゃい女「もん」の、過激な毎日を綴っていきます。 毎日考えていることや、思うこと。 時には乱暴になったり、好きな詩を綴ったり。 少しでも心に留まったら、そっと言葉をください♪

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ショートストーリー。第二回。

●この記事の楽しみ方。

1・「続きから」の中に、最初に動画が用意されていますので、それを再生してください。
2・曲が流れ始めたら、その曲を聴きながら、その後に用意されているショートストーリーをお読み下さい。
3・読み終えましたら、お時間がある方は、小説の内容を反芻しながら、もう一度動画をご覧下さい。

では、内容が気になる方だけ、続きからどうぞ。

※今回の物語は、切ないです。やるせないです。そういうのが苦手な方は、読まない方が良いかと思われます。





タイトル「真実」


私のことなんてどうでもいい。
とにかく今は、走らなきゃ。

私は、走っていた。
暑く照りつける太陽を背中にして、刺す痛みに変わった熱を放射し続けるアスファルトの上を、裸足で。

ちょっと前、嘘をついた。私は小さな嘘のつもりだった。
罪の意識なんて、無かった。単純な、保身だった。
それが、私を走らせている。
どんな理由であれ。走らなきゃ。

その嘘のせいで、友達が。
大切な親友が。

着ていた服は、ボロボロだ。Tシャツの肩は、私の地肌が見えている。
さっきから何度も転び、汚れきっている。
でも、走らなきゃ。
いつの間にか、涙が頬を伝う。
鼻水が顔を汚す。
走らなきゃ。

あいつらの顔が浮かぶ。

『お前、よく平気な顔で友達を売ったな』
『裏切ったのは、あの子だもん』

どうして。
どうしてあんな事を言ったんだろう。
あんな事を言わなければ。
言わなければ。

足の裏から、出血しているみたいだ。
灼けるように、痛い。
でも、走らなきゃ。



ワタシガ、ワルインダ。



私は、ただの寂しがり屋だ。
誰よりも一人が怖くて、人の傍に居たがる。
だから、友達の裏切りが許せなかった。
あの子だけは、裏切らないと思っていた。

裏切ってなかった。

でも、それを知ったとき、私は。
私は。

『おい、服、脱がされてるってよ』
『…私を裏切った罰よ』

男達は、笑いながら私に教えてくれた。
私の友達が何をされているのかを。
もう思い出したくもない。
やめて。もうやめて。
言葉にならない喘ぎを口から漏らしながら、私は走る。
走らなきゃ。


あの子との付き合いは、小学生から。
人付き合いが下手で、誰よりも小心者だった私は、周りが「ともだち」という強固な仲間を築いていくのを、ただ見ているだけだった。
このままだと、一人で教室に居続けるだけの学校生活が待っていたはずだ。
それを変えたのが、あの子だった。

『私ね、友達がいないの』

笑顔で、思いっきり笑顔で、私の前に来て、いきなり声をかけてきた。
びっくりして無表情になっている私を見て、その子も止まった。
またぎこちなく笑って、こう言った。

『好きなテレビ番組を、教えてください!』




私達は、その時もう、大親友になっていた。




走らなきゃ。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ワタシガ、ワタシガ。ワルインデス。

場所は分かっている。
あいつらのたまり場。

走らなきゃ。

私達は、「大親友」になってから一気に時間を楽しみ始めた。
まるでそれは、私とあの子が出会うために産まれてきたようなモノだと感じていた。

出会うべくして出会った。
繋がるべくして繋がった。
運命だと、素直に思えた。

いつしか、私達は中学生になっていた。

同じ中学校に入学し、同じ部活を選択した。
やることも過ごす場所も、みんな同じ。
もしかしたら、私達は双子なんじゃないかと本気で思った時期もある。
それくらい。

そう、それくらい。

私は、あの子が必要だった。


足の痛みが、限界に来ている。
振り向かなくても、私の足跡には血が混じっているのが分かる。
痛みのせいで、走る速度も落ちてきた。
でも。
まだだ。
走らなきゃ。

『お前、あいつのこと嫌いになったの?』
『…うるさい』

あの子は。あいつらのたまり場で。
私は、安全な自分の部屋で。


私は、裏切られたと思った。
それは、ついさっきの出来事。

学校の、放課後。
珍しく、あの子が私に一人で帰れと言う。
どうしたんだろう。
何かあるんだろうか。
寂しくはあったが、会えなくなるわけでもないから、と自分に言い聞かせて、「分かった」と返事をして帰宅の準備をした。
一人の帰り道は怖いかもしれないけど、あの子をそれで困らせるようなことはしたくない。

私達は、「大親友」だから。


一人で、留学するという話しが聞こえた。
先生が勧めていた。
その子は、満更でもないようだった。
私の心臓は、早鐘を打っていた。
歯が震え、がちがちと音を立てていた。


『分かりました。私、行きます』




…ウラギラレタ。




私だけが感じた、心の闇。
それを勝手に増幅させたのは私。
自分の心を守りたかったから。
裏切ったあの子への罰だと思ったから。

その足で、同級生の男達に…頼んだ。


駄目だ。
もう駄目だ。
走れない。
でも走らなきゃ。
足が動かなくなっても。
目が見えなくなっても。
動けなくなっても。
私は謝らなくちゃ。

私が、裏切ったのだから。


男達に頼んだ後、家に戻った。
着替えを終えて、鞄の中を見た。
そこに、全ての答えがあった。

あの子からの、手書きのメッセージが入っていた。
内容は。

『何だか恥ずかしいから、手紙にするね。』
『一緒に、留学しようよ。』
『私、2人一緒だったら何処へでも行ける』
『何でもできる』
『先生にも頼んでみるからね』
『一緒に、留学しよう!』


…『一緒に、留学しよう!』



…もう駄目だ。
走れない。
動けない。
口の中も切ったみたい。
血の味がする。


でも。
でも。

走らなきゃ。
走らなきゃ。

【Fin】
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コメント

うわ~。切ねぇ。

私にもすごく仲のいい友達が居て、学生の頃によく周りに似てるって言われたことがあったんです。
別にお互い裏切ったとかこういうことがあったわけじゃないですが、すごく心情的にのめりこみました。

それと、面白い趣向ですね。音楽まで用意されてるなんて。
これは私の読む速度とか単純にそういうのだと思うんですが、音楽をかけて、読み始めて、音楽が終わると同時に読み終えました。
鳥肌がたった。

エリさん。

切ないですよねぇ。
書き始めたときは、こんなストーリーになるはずでは無かったんですが。
実は、この直後に、主人公の目の前に何とか逃げてきた友達が現れるっていう落ちがつく予定だったんです。
ところが、そうはなりませんでした。

それは、ですね。

エリさんが最後に書いてくださったように、実はこの物語、音楽と合わせて読むと、大体読み終わったときに音も終わるように仕掛けてあったんです。
何度も何度も読み返して、音と合わせるのは大変でしたけど、その分、面白いモノが出来上がったと思っています。

勿論、読み上げるには個人差があるので読んだ人全員がそうなるかというと怪しいですけど、試みとしては面白いかな?って感じでした。

その通りにお楽しみ頂いて、私も満足です。
えへ。

こめんと、ありがとうございました。

Skill For Writing

物悲しい。

 一番、小生が恐ろしく思ったのは、『何故ここでぶっつりと切ってしませるのか?』ということでした。
 あの位置でのエンドというのは、かなりの度量のいるものだと思います。

 少なくとも小生には無理。あのいちでおわるからこそ、最後のあの空気、あの雰囲気が得られるのだと、内容よりもそのスキルのほうに感動を禁じえませんでした。
 
 凄かったです。

ぴえーるさん。

ありゃりゃ。
誉められてしまった。

実はですね、この物語の最後は、何とか男達の手から逃げてきたお友達と再会!
っていう落ちがつくはずだったのです。
ですが。

音と文の流れを限りなく近づけて、読み終えると同時に動画も終わるようにしたかったため、こんなエンドになりました。

仰るとおり、この終わりの空気はだからこそ出ている気がするんですけどね。
スキルを誉めていただいて、恐縮です。

こめんと、ありがとうございました。

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プロフィール

もん。

Author:もん。
既に体の小ささは私の履歴書として胸を張る状態に。
すったもんだを経て、何とか仕事と住居を見つけることに成功。
地元の母様を守ることも出来て、満足満足。
相変わらず仮面ライダーも大好きで、次回のディケイドってどう?と眉間に皺を寄せる生意気なライダーファンとなりました。
そんなちっちゃい26歳。今年は27ですなぁ。
※プロフィール画像は、フィクションということにさせてください。
 うふふ。

フラッシュ クロック 「傀儡人間」

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