過激な日々。

ここでは、ちっちゃい女「もん」の、過激な毎日を綴っていきます。 毎日考えていることや、思うこと。 時には乱暴になったり、好きな詩を綴ったり。 少しでも心に留まったら、そっと言葉をください♪

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ショートストーリー。第三回。

●この記事の楽しみ方。

1・「続きから」の中に、最初に動画が用意されていますので、それを再生してください。
2・曲が流れ始めたら、その曲を聴きながら、その後に用意されているショートストーリーをお読み下さい。
3・読み終えましたら、お時間がある方は、小説の内容を反芻しながら、もう一度動画をご覧下さい。

では、内容が気になる方だけ、続きからどうぞ。









タイトル「森の中の光」

私は森にいた。
誰にも言わずに、森に来た。一人で。

死ぬつもりだった。自殺。
誰かが止めようとするだろうから、言わずに来た。
死のうとするときに、周りが自分のせいで慌てふためいてざわつくのだけは勘弁して欲しかった。

だから、一人で死ぬことを選んだ。

死ぬ方法はどうしよう。
首吊りは、後から「垂れ流し状態」となるらしいので、パス。
やっぱり、服毒自殺かな。
睡眠薬とか。

でも。

簡単に手に入るかと思ったら、どうやって睡眠薬を手に入れて良いのか分からない。
おそらく、薬局で「睡眠薬ください」とか言えば売ってくれるのだろうが、その店員が重度のお人好しだったりしたら、買った瞬間に

「自殺だけは止めるんだ」

とかなんとか言って、止められそうな雰囲気になったりするだろう。それも嫌だ。
そう思って、大量の風邪薬を買い込んだ。
確か、風邪薬も服毒自殺に代用できると、何かで読んだ覚えがある。

何とかなるだろう。


バス停から歩いて森に入り、もうどれくらい歩いただろう。
足下は、コケやら岩やらで、歩きづらい。
今から自殺を考えてる人間が、「よっこいしょ」とか言いながら歩いているのも、何だかおかしな光景だ。
転ばなくても良いように、スニーカーを履いてきたのは正解だったかな。

死に場所を探しながら、森の上方を仰ぎ見る。
真っ白い陽光が、枝や葉の隙間から落ちてきている。
それは、物凄く美しい風景の筈だ。今の私には、そう映らないが。
少なくとも、清々しい気分にはならない。

でも。
間違いなく、光はまっすぐに落ちているのだった。

しばらく歩いていると、空腹感が私を襲い始めた。
朝からまともな食事をせずにやってきた結果だ。
その辺で、やっと本日最初の食事を始める。
持ってきたのは、サンドイッチと林檎。あたたかい紅茶の入った水筒。
それらを少しずつ頬張り、森の中での食事を済ませた。

食事をしている間、小さなリスがこっちを見ているのに気付いた。
私の前方10メートルくらいに、ちょこんと立って私を見ている。

このリス。
私以外の何人の死に様を見てきたんだろう。

林檎を囓った。
思いの外、甘い林檎だった。





食事を終えた私は、また歩き出した。
森の奥へと向かって、とにかく遠くへ。
この森は、深いと聞いていた。だから、帰りたくなるような中途半端な距離だと、心の何処かで「生きたい」と思ったとき、思いとどまりそうだったからだ。

行けるところまで。
ずっと、遠くまで。

不意に、目の前が開けた。

それは、日本の風景だとは思えなかった。
突然、目の前に滝が出現したからだ。それも、ビルの2階ぐらいとか、中途半端な大きさの滝じゃない。
落差だけで、軽く40メートルはあるんじゃないだろうか。
水量も、海外レベルだ。とてもじゃないが、私はこの滝を信じられなかった。本気で、新発見したのは今の自分だと思えたからだ。

私は、その滝の上の方にいた。

大量に流れ落ちていく川の水。
その下には、美しい風景が広がっている。
滝壺の上は白い水煙があがり、上空の太陽と共に、虹を作り出している。
落ちた水は透明度を増しながら、更に下流へと流れていっている。
私がいる上方からは、遠くに消えていく川の下流が見える。

神秘的な美しさと、風景だった。
綺麗だなぁ。
素直に、そう思えた。


嫌なことがあった。
それは、心も体も折れてしまうくらい、辛いことだった。
いつまでも、涙が流れ続けた。
声をあげて泣いた。
くしゃくしゃになった顔を見て、不細工になった自分の顔に嫌気がさした。

社会的に私が取る行動は、間違いだと言われるだろう。
でも、それが私の選ぶ道なのだ。
私が自分の考えで選ぶ道なのだ。
誰にも、間違いだなんて言わせない。

そんな想いから、今の行動が生まれた。

でも。

もう少しだけ。
生きてあげようかな。
あいつらのために。
あの人のために。

今死ねるんだから、別に後からだって死ねるさ。
せめて。




林檎が美味しいと思えるうちは、死ぬことを考えるのは止めようかな。




滝を覗き込みながら、そう考えていたとき。
不意に、滝の下方から突風が吹いた。
呷られた私の体がバランスを崩す。

おっとっと。

がらがらん。





ぐらっ。



滝の岩壁、私の足下から小さく崩れた。
まっさかさま。

所詮、こんなものだよね。
私の運命なんてさ。
落下していきながら、自分の今までの行動がフラッシュバックで蘇る。

…いい人生だったかな。意外と。

思い切り、水面に叩き付けられた。








「自殺者の命を助けたのは、大量の薬包が入ったリュックサックだった!」
元自殺者のコメント:

新しい滝を発見しました。日本で。
でもあれは、私の秘密の場所にしておきます。

あの滝のある森が、私の母なんです。
死んだ私を、またもう一度生んでくれたから。


【Fin】
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コメント

小生の言えるせりふじゃない。

 小生の言える台詞じゃあございやせんが、オチは読めました。大体「~~だろう」というくらいは森に入ってご飯食べるくらいでしょうか。

 でもやはりぴちっと綺麗に収めているところは秀逸であり、小生は「ぴちっと終える」とか「最後を綺麗に」とかあまり考えないので、やはりそこは素晴らしいな と思ったのであります。
 Holeですが、アレはどうしようもなさずぎます。詳しくはまた明日、小生のブログで書きますが、一体どうやってアレに影響された小説をHoleを縛りとして書けばいいのか、まったくわかりません。

 でも映画の出来としては秀作 程度かそれに及ばない程度であり、わざわざ見る価値があるのか、どうかはわかりかねます。アレならCubeを見直せばいいんじゃないでしょうか。勿論、一作目を。
 因みに小生のおずずめの映画第一位は「フォーン・ブース」です。コリン・ファレルの名演技、緊迫した舞台、縛りのなか動き続ける状況、そして高まる緊張感。
 ドキドキしながら見れる(と小生信じているのですが)映画です。でもエンターテイメントしてであり、文学的価値は低いです。でも面白いです。ありえない!あの出来は凄い!といえる映画ですよ。

もんちゃん こんばんは。すっかり元気になりましたよ。
ご心配かけましたね。
で、携帯から見ているので動画は見れなかったこと、ごめんなさい。
ショートショート、二話とも愉しく読ませてもらいました。
どちらも同じ作者なのに、別の人が書いているような感じを受けました。なぜかしら?
私の場合、先を頭の中で考えずに、活字をひたすら追います。
これから死のうとしている人がお弁当持参しているのが微笑ましく、暗さは微塵も感じませんでしたね。

ぴえーるさん。

そうでしょうそうでしょう。
これの落ちは、すぐに読めるようにして置いたんです。

実は、自殺者のくせにおかしな所が幾つかあるんですよ。
気付いてると思いますけど。
・食事の用意。
・転ばないように用意したスニーカー。
・大量の風邪薬で、「なんとかなるだろう」と見切り発言。
・神秘的な風景に感動。
などなど、です。
せっぱ詰まった自殺者が、こんな余裕は持ち合わせてないだろう、というつっこみが何処かから来るのを期待していた自分も至り。

おすすめ、ありがとうございます。
そうでしたか。「Hole」はそんなに勧められないんですね。
余裕が出来たら、探すくらいにします。
「フォーンブース」、コリン・ファレルですね。お気に入りのレンタル屋さんに寄る機会を作って、探してみます。

楽しみ楽しみ。

こめんと、ありがとうございました。

kaffeさん。

お久しぶりです!
回復されたようで良かった!!
あまり無理はしないでくださいね。私の所へは、余裕があるときで結構ですからね?

お互いの元気が、長続きの証拠w

作品を読んでいただき、ありがとうございます。しかも、感想までいただいて。
先の「真実」は、あれは救いようのない物語です。
反して、今回の「森の中の光」。
これは、動画を再生してみるとよくわかるんですが、不安要素を一切省いたものにしたんです。
今までの作品の流れが、どうしようもなく切ない流れが多かったので、あえて「ほんわか」を狙いました。

自殺志願者の話しなので、主人公の周りは振り回されてるでしょうけど。

あ!書いているのは間違いなく私ですからねw
作風をわざと変えただけなので、それだけ違った印象になったのなら、書き手冥利に尽きます。

これからも、ちょくちょく読んでやって下さい。

こめんと、ありがとうございました。

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プロフィール

もん。

Author:もん。
既に体の小ささは私の履歴書として胸を張る状態に。
すったもんだを経て、何とか仕事と住居を見つけることに成功。
地元の母様を守ることも出来て、満足満足。
相変わらず仮面ライダーも大好きで、次回のディケイドってどう?と眉間に皺を寄せる生意気なライダーファンとなりました。
そんなちっちゃい26歳。今年は27ですなぁ。
※プロフィール画像は、フィクションということにさせてください。
 うふふ。

フラッシュ クロック 「傀儡人間」

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